投資信託はさまざまな金融商品を組み合わせて運用しますので、種類も多種多様ですが、大きくは4つに分類できます。
投資信託は、株式や債券など、価格が変動する有価証券で運用されるため元本は保証されておらず、リスクを伴う金融商品です。リスクの大小は商品により異なりますが、一般的には、リスクが大きいほど期待される収益が高く(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さいほど収益が低い(ローリスク・ローリターン)という関係にあります。
リスクには次のようなものがあり、投資信託の価額の変動に影響します。
投資信託のリスク
投資信託に組み入れられている株式や公社債の価格は、それを発行している発行体の業績だけでなく、政治・経済の動向や金利・為替等の変動によって大きく影響を受けるため、市場での価格が日々、変動します。また、投資信託の種類によっては、商品市況や指数の変化によっても影響を受けることがあります。
債券価格は、金利が上がれば下がり、金利が下がれば上がるという関係にあります。金利動向もまた日々変化しますので、それにより組み入れられている債券の価格も変動します。
組み入れられた株式や債券の価格自体に変化がなくても、為替レートが変動することによって資産価値(基準価額)が変動します。例えば、1ドル100円のときに、米国の株式を100ドル分購入したファンドは、1ドル110円と円安になれば、たとえその株式の価格が変わっていなくても円換算すると11,000円の資産価値となりますし、反対に、1ドル90円と円高になれば、円換算すると9,000円の資産価値になってしまいます。
企業や国などは、債券を発行したり借り入れを行ったりして資金を調達していますが、将来、それらは償還や返済をしなければなりません。これらが将来、約束どおりに返済されるかどうかが信用度です。時には、財務状況が悪化し、倒産や債務不履行という状況に陥ることもあり、この信用度の変動により株式や債券の価格も変動します。
組み入れられた株式や債券の市場規模が小さく、取引量が少なくなると、本来想定される投資価値とは乖離した価格水準による取引が行われることがあります。このように流動性の変動によっても株式や債券の価格は影響を受けます。
※投資信託の価額の変動要因は上記に限定されるものではありません。
リスクを回避するために
これらのリスクを回避するためにはリスクとリターンの度合いの異なる投資信託をいくつか組み合わせることが有効です。卵を一つのカゴに盛ってしまうと、もしそのカゴ落とせばすべての卵が割れてしまいます。しかし、いくつかのカゴに分けていれば一つを落としてもすべてが割れることは避けられます。 「卵は一つのかごに盛るな」 これはよく使われることわざです。
また何回かに分けて購入するなど購入時期を分散させるドルコスト平均法※を用い長期保有することによってもリスクを小さくすることができます。
※ドルコスト平均法
価額が高い時には口数を少なく、低い時には口数を多く購入するといったふうに、毎回一定金額で購入する方が、毎回一定口数を購入するよりも結果として平均取得価額が割安となる効果の高い方法。長期投資に向いています。
ドルコスト平均法の例
まず住宅資金、子供の教育資金、結婚資金、老後の資金、レジャー費など投資の目的を明確にさせましょう。そうすることで運用できる期間やリスクの許容度がはっきりし、最適な商品を選ぶことができます。その上で目論見書に目を通し、安全性、収益性、換金性(すぐに現金化できるか)などの特性を見極め、目的に合った商品を選びましょう。
目論見書とは、投資信託のご購入前またはご購入時に必ずお渡しする書類で、各商品ごとに作られている投資信託の説明書です。目論見書には、お客様に必ず交付する交付目論見書とお客様の請求に応じて交付される請求目論見書があります。いずれも「運用方針」・「投資対象」・「投資リスク」・「分配方針」・「購入・解約時や保有中にかかる費用」・「(すでに運用中の場合は)これまでの実績」など、その投資信託に関する重要な情報が記載されています。法律文書のような言い回しも多く、すべて目を通すのは大変ですが、投資目的に沿ったものを選ぶためには、まず目論見書を必ず読み、特徴をきちんと把握することが大切です。
- 運用方針は?
- 信託期間は?
- リスクは?
- 純資産残高の規模は?
- 分配方針と分配実績は?
- (すでに運用中の場合)過去の運用実績は?
- 運用レポートなど、情報開示の充実度は?
- 申し込み手数料は?
- 信託報酬は?
- 解約時の手数料は?
- 解約した場合、何日後に現金化されるのか?